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2017YZF-R1 試乗02

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 現行YZF-R1に試乗した印象は、まぁ、とにかく速い。そして精度が高い。
組み上げから作動感、そこらじゅうのネジの締め付けトルクに至るまで全体を細かく調律されたイメージで、
特にミッションのシフトストロークが極短でオートシフターとの合わせも良く、
コツコツと小気味良くシフトが入ってゆく感覚はちょっと、格の違いを見せ付けられるような完成度だと思いました。

 ただね、やっぱりというか、この前傾姿勢は長時間持たないかなぁ?
走る距離もかなり限定されるだろうなぁ、なんて考えていたのですが、
昔取った杵柄とでもいうか、30分も走っているうちにスッカリ慣れました。
そこからは、自分だったらR1でどんな休日を送るのか?脳内地図に色んなルートを書き出していたりして、
本当、人間の適応力って凄いですよね(^^;)

 ○ YAMAHA 2017YZF-R1 試乗その2

 ○ YAMAHA 2017YZF-R1 試乗01

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 なんか、メーターの色が途中で変わるよね?
雨だったからも一度確認できなかったけれど(^^;)
 一回、高速道路をビュンとやっちゃうと、おおむね車両に対する怖さや遠慮も薄らいできて、
車両の軽さをいいことに、かなり強引に取り回せるようになったんですよ。
とはいえ雨だし混み入った市街地なので、強引なハングオフとかは試せませんでしたが、
とにかく低回転維持から開けたときのトルクの分厚さが並ではないので、
どこからでも、何速ギヤでも瞬時に前に踊り出せます。
この辺はヤッパリというか、クロスプレーンコンセプトを謳うMT-09等ヤマハ三気筒に良く似ていて、
ただそれらよりも、ある回転数を境に速度の乗りが一変して、
さほど怖さは湧かないのに物凄い加速ベクトルに包まれます。


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 やっぱりエンジンが速いなぁ。
それを剛性バランスの最適化が進んだシャシーに乗せている印象。
この『出来のよさ』は、'09YZF-R1に乗っていた身からすると素直に悔しいです。
 なので走り方も、R6に比べると『エンジンありき』な走らせ方が似合うと思う。
軽くてバランスが取れているとはいえ、走らせ方は多分'09R1的というか、
MT-07やR6のようなエンジン回転キープで平均速度を上げてゆく走らせ方よりも、
コーナー進入でブレーキを深めにとって、急減速から一気に寝かせてグイッと立ち上がってゆくメリハリ型が似合うと思う。
これだとやっぱりタイヤの性能にもかなり依存してくるので、基本的にはハイグリップ一択になるのかな?
 まぁとにかくね。
私もタイトなサーキットとか峠道ではR6のほうがR1より速いだろうと信じて疑っていなかったのですが、コレ。
万全な状態でのR1に、以前試乗したR6で追いすがる状況を全く想像できなかったんですよ(^^;)
いやコレ本当速いよ。どうすりゃいいんだろう?
なんというか、電子制御のおかげでハイパワーへの遠慮がなくなっちゃうんですよね。
ここで握りゴケしたらどうしようとか、中途半端な姿勢でスロットル開けたら吹っ飛ぶんじゃないか?とか。
もてあましてる恐怖に苛まれず、イケイケのまま動作が出来るから、車体の旋回力とかも十分発揮されて、
ちゃんと走らせてちゃんと曲がれるから凄く楽しいし実際速いんじゃないかと思う。
……まぁ勿論、今回は市街地と高速道路でその片鱗の尻尾をちょいと掴んだぐらいなので、
実際は晴れた日に峠道やサーキットに行くなりしないと解らないと思いますが、
なんていうかコレは本当、悔しいぐらいに速いし楽しいし、
車体性能をちゃんと発揮させ易いので、安全性も以前型とは隔絶のレベルにあるような気がします。

 いや~、悔しいなぁ

 試乗後はなんていうか、『悔しい』しかなかったっすよ(^^;)
高額化でサーキット前提のR1よりも、
R6でエンジン回して走ったほうが一般道では楽しいだろうと信じて疑っていなかったのですが、
速さと楽しさと、実際走行中の安全配慮において、R6じゃちょっと勝ち目がない気がします。

 私が感じた、R6がR1に勝る部分は、
主にエンジン音が演出する『その気になっちゃう』興奮度で、それが比較的低い速度域でも持続するキモチヨサ。
 それと、前回も書いたとおりに『燃費』かな?
あと、R6ならばツーリングスポーツタイヤでヒラヒラ走るのも楽しそうですが、
R1だとタイヤのグリップ如何で旋回性能が相当変わってきそうなので、
多少ライフが短ろうが、ハイグリップを履かないと車体が『勿体無い』気持ちになるかも知れません。

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 R1とR6、乗るならドッチ?……みたいな企画ものを目にする機会がありますが、
多分コレ、単純に金に糸目を付けないのであればR1で大正解なんじゃないかと思います。
とはいえ、私のような一般庶民には金を考えないなんて無理無理の無理なので、
より現実的に考えた場合、
年間走行距離がタイヤ一本分より多いか少ないか?でおおむね適正が分かれるような気がしました。
今のハイグリップって6000kmぐらい走るのかな?
スパコルとかRS10とか最上級のって3000kmぐらいでしたっけ?

 まぁ、おおむねR1だったら月に2回ぐらい、
朝のうちから高速道路でビュンっと山まで行って、夕方ぐらいに帰ってくる感じの使い道でしょうか?
それが月6回ぐらいだと、燃費やタイヤの面でも、修練で技量を研ぎ澄ませて行く楽しさから見ても、
R6を選んだほうが、より外的ストレスの少ない、充実したバイク生活が送れるんじゃないかと思います。

 でも、若い人にはR1のほうを選んで欲しいなぁ。
最近なにかと、『日本はもう先進国じゃない』的な、
そんなん言ってて誰が得するのか良く解らない自虐論が比較的蔓延している気がしますが、
R1に乗っていると、やっぱり日本の技術力って凄いなと思わされます。
他の国のバイクが味だとか伝統だとか、感性やら肌触りやらと誤魔化しているところを、
日本車はとにかくコツコツと積み上げたデータに基づく工作精度と信頼性で真正面から勝負している。
そういう、バカが三つぐらいつくほどの実直さこそが本来の日本の強さなのかなぁ?なんて、
妙に納得させられるほどに、このクラスのバイクは『凄まじい』領域に来てるなぁ、と感じます。

 '09YZF-R1に、マフラーとホイールと前後ショックを交換すれば大体+100万円。
更に軽量化して重心位置を適正化させて、諸々の電子制御を施したと考えれば、現行YZF-R1の車両価格も納得できるのかな?
つまり現行R1は既存層よりも、それをカスタムして乗っていた層向けで、
既存モデルのカスタム化ぐらいの性能をメーカーの調律力で成り立たせ、
更にその費用を新車購入時のローンに入れて組めると思えば、R1のこの値段も決して高くはないのだろうか?

 YZF-R1とYZF-R6。私だったらどちらを選ぶかなぁ?
R1の途方もない走行性能はやっぱりどうしようもなく魅力的ですが、もう燃費でアレコレ我慢したくないし、
でもスーテネから乗り換える時期が来たとき、お給料がもう少し上がっていたら、やっぱりR1を選んでしまうかもしれません(^^;)

 まぁ、それ以前に私の場合、問題はヒザなのですが。

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 ○ YAMAHA 2017YZF-R1 試乗01
 ○ YAMAHA 2017YZF-R1 試乗02
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5件のコメント

[C1167]

僕的にはメーターがカッコイイか、ってけっこうやる気になるかの重要な判断基準なので、TFT液晶メーターはワクワクしますね~。

足つきだけ考えたらGSX-Rの一択かもです。
  • 2017-10-29
  • 投稿者 : mffactory02
  • URL
  • 編集

[C1168] 参考になります。

どうもです。
いよいよ真打ちのレビュー登場ですね(R1Mの方じゃないですが)。

私は09R1とR125(R15)に同時に乗っていたこともあり、エンジンの回転数を上げることに快感を覚えてしまい、リッターに消化不良を感じてミドルクラスにシフトしたのですが、少し前から、現行のSSの中で最も惹かれるのが、R1になってしまっています。R25を買い換えようかと思うくらいです(駐車場の関係で、買い換えませんが)。

新型のCBR1000RRにもGSX-R1000Rにも惹かれませんが、R1は、どうしても視界から外せません。サウンドも含めて、やはりほかと違うんですよね……。
クロスプレーン、やっぱりいいな、と思いますし。

私は中途半端な電子制御ならない方がマシと思っているのですが、ホンダとヤマハのモノは本物とも聞いていますし、現行R6との対比ではもう60万円くらい足せば買えるわけで、正直言うと最初のリリースから3年、日々欲しくなってきています。

ただ、剥き出しのミドルクラスの操り感と充足感は捨てがたい面があり、SSではありませんが、その手のモデルにも関心を持って、並行してみています。

R1については、今後も追跡調査はしていきたいと思います。
  • 2017-10-29
  • 投稿者 : さざなみ
  • URL
  • 編集

[C1170] resです

> mffactory02様
メーターがTFT液晶になると様々な遊び心が出てきますね?
R1メーターはギアポジションの左右に、ぷよぷよの『NEXT』みたいに次のギヤが半分見えていて、
でもギヤって基本的に順並びなので意味ねージャン!!とか思っていたのですが、
実際走っている最中に見ていると、不思議と気分を良くさせてくれる演出でした。
 個人的にはいくら情報豊富でも、燃費計が常時見えるタイプは少し苦手かな?
乗っている最中は何も感じなかったF3-800のメーターが、今はとても魅力的に思えているのも不思議です


> さざなみ様
今回のR1試乗に関して私は逆に、1200cc二気筒で6000回転以上なんてほとんど使わない車両に乗っている事情もあって、
どの回転域からでも綺麗に回転馬力に繋がってゆく1000cc四気筒の気持ち良さを再確認したところもあります。
……とはいえ本文には書きませんでしたが、100km/h までぐらいだったらスーテネの方が早く到達しそうな感じですし、
180km/h に至る過程でスーテネの方が速度感がないのも不思議な比較でした。
ただスーテネだと、盛り上がる感情がほとんどないので高速度を維持して走ろうとも思えないのが長所でもあり短所でもあり……(^^;)
速く走ってどっちが楽しいか?はもう圧倒的にR1のほうですね。

 R1にはそのクロスプレーンの個性があって、二気筒ミドルみたいな静かで子気味良い中低速のフィーリングがある上、
回せば濁りのない、高精度の感触で力量感が盛り上がってゆく面もあって、
クロスプレーンの特徴の話は私も過去に、理論的な面も含めて何度か書いてきましたが、
まぁ、個人的に一番受ける印象は、この本文にある通り『硬質ガラスのコップ』みたいな硬質感と透明感です。
これはもう、今のところR1やMT-10でしか味わえないものなので、そこに良さを見出した人にはどうしても気になっちゃいますよね。
似たようなところに多分、スズキの水冷Vツインがあると思うし、カワサキの四気筒も他とはちがう筋肉質なフィーリングがあって、それぞれ好きな人にはたまらない個性なんじゃないかと思います。
ホンダさんもV4エンジンをもっと車種拡張すればいいのに。

 一度海外の車両に手を出してしまうと、国産車のセーフティーネットの広さというか、
余計な信頼性を過剰に意識しすぎて鈍重なイメージになってしまい、そこが「ダサいぜ」と思ってしまうところもありますが、
R1に関してはその、高い信頼性を維持したまま緊張の糸が張り詰めたような洗練されたフィーリングも実現しているので、
海外バイクに慣れた人にも、たまには国産車に触れて欲しいと思わせる説得力があると感じましたね。

 R1の電子制御はかなり良く出来ているようで、オーバースペックの不安感を随分払しょくしてくれますが、
R6のあの、自分が速く走らせようと気合を入れて頭を使って走らなきゃ速く走れない感じもスポーツとしての楽しさに溢れていて捨てがたいと思います。
R1だと色々と少しイージー過ぎちゃうんですよね。
その辺はオーナーそれぞれのバイク生活の中で、何を大事にするかにもよると思うのですが、
両車のランニングコストは車両価格以上に差が出来ると思うので、
とにかく走りまくりたい!距離を多く乗るのであれば、ミドルクラスのほうが満足感は高いような気はします。

 600クラスにクロスプレーンがあればなぁ。いや、R6じゃなくても、ディバージョンとかでも。
それに一番近いのは、現行ではMT-07のフィーリングでしょうか?
MT-07も上級なショックとカウルを付けた上位バージョンがあればいいのになぁ

  • 2017-10-30
  • 投稿者 : 北狐々
  • URL
  • 編集

[C1172] 電子制御。

どうも、ツイッターのほうではお世話になっております。

先月
「リッターバイク、国内で使うところないよね」
というような自虐とも皮肉ともとれるようなネタがツイッターで流れておりましたが、そうじゃないですよね。
どの速度のどのギアからでも取り出せるトルクやパワーがライディングに余裕を作ってくれるんですよね。

ともすればシフトダウンを忘れていたとかそういうシーンでも「サボらせてくれる」「フォローしてくれる」のが大型だといいますし、それはおそらく峠道に行っても同じなんですよね。

コメントレスで

>R6のあの、自分が速く走らせようと気合を入れて頭を使って走らなきゃ速く走れない感じもスポーツとしての楽しさに溢れていて捨てがたいと思います。
>R1だと色々と少しイージー過ぎちゃうんですよね。

と書かれていますが、そのイージーさが心身や操作的な余裕を作りだす根源的で機械的な部分でもあるだろうといえますし、心理的な余裕がなければやっぱり、回せないんですよね。
そういう意味ではリッターバイクでパワーがある、国内で使うシーンが無いけれどもどこからでもそれを使えるバイクってのはやっぱり選ぶ意味や乗る意味があると感じるのですよね。


そんなわけでそんな有り余るパワーのあるバイク、従来であれば「パカ開けしてウィリーした」だの「一瞬で制御不能になった」だのとあったわけですが、今の電子制御がされているハイパワーバイクは意図的にスイッチを操作しなければ暴れるようなこともないですし、遠慮なく大きく開けたり出来るようになってきてますよね。
スイッチのオンオフで乗り手側の気持ちのオンオフを意識させるっていう話もありますし。

おそらくその辺も操作の余裕につながってきているでしょうし、遠慮なく扱える事によって神経をピリピリさせた操作を強要されることも少なくなったんだろうなと感じます。疲労感の低減にも繋がりそうですし。

電子制御の恩恵を一番受けているのはハイパワーマシンですよね。
ある種ラフに乗れるようになったってことは付き合いやすくなったとも言えるわけですし、従来のリッタークラス、SSクラスと比べるとカジュアルに乗れるようになったんだろうなと言えなくもないわけですよね。
別にハイパワーマシンに乗っているからといって必ず使い切らなくてはいけないというわけでもないですし(^^;

  • 2017-11-03
  • 投稿者 : 水無月 蓬
  • URL
  • 編集

[C1173] > 水無月 蓬様。

 どうもです。
個人的には『2DK借りたって一部屋使うことないよね』と言っているのと同様ぐらいにしか感じないというか、
ここにしかない異次元的な加速をするので、使う人にとってはそれこそ、その辺の幹線道の信号待ちからでも使うのですが、
最近の時代の流れでそんなの、おいそれと公言できなくなってきていますし、
色々含みを持った上での『必要ない、使い切れない』個人の意見を真に受けて、
机上のデータ論として賛同しちゃっている若い人が多いのかなぁ?とは思います。

 まぁでもですね、
250ccの出来の良いラインナップが増えてきた現状においては、
GSX-Rが可能性を提示して、ZZ-Rが大衆化させてしまった『こういう領域』って、
一般の常識的な人たちにとっては非現実のファンタジカルな存在でいいんだと思うんですよ。
層が増えればモラルが低下してゆきますし、その分無謀や悲劇も増えると思うので。

 そういう大多数が『つかうとこないよね~」と嘯いているのをハイハイ。そうだね~と流しておいて、
他の少し頭のオカシナ集まりで、「R1って途中でメーターの色が変わるよね~?」とか話せればいいのではないかと思います。

 まぁ、それはそれとして最近の1000ccの速さは値段が高いだけあって、目からウロコものでした。
下も全く犠牲になっていないのに、即座にドカッとトルクが湧いて、そのまま回転馬力に盛ってゆく。
エンジンがどこも無理している感覚がないから怖さを感じる瞬間が少なく、
減速するにもABSが付いている安心感に助けられる。
その辺の『扱う際の怖さ』みたいなものが、'09R1の頃までは未だ未成熟な部分があり、
思うように走って曲がるためにはしっかりとエンジン回転をキープさせて、しっかりとタイヤを路面に押し付けながら走らなければならなくて、
そうすると1000cc、かなり速度が上がってしまって、
『そんなに速く走りたくないのに、そうしないと思うように走ってくれない』
持て余すジレンマに苛まれる場合は確かに多かった記憶があります。
 公道を走るのってサーキットや業務作業と違ってコレという一つの正解があるわけではなく、
低ギヤで高回転まで回して走るのも、トルク任せでノンビリ走るのも求められるので、
最近の1000ccの、様々な走らせ方に高い次元で応えられる懐はやっぱり、600ccやもっと下のクラスよりも随分深い領域にあると思います。

 まぁ、とはいえ日常で扱う範囲において、その想定された速度域が過剰でその分、姿勢や燃費が犠牲になっているのは確かで、
それを指して「必要ない」と結論付ける考え方も解らなくはないんですよ。
セローとか乗ってみて、「これで十分じゃん!」とか感じてしまうと特に。
まぁその辺はそもそも趣味、娯楽の世界なので、
自分が求める性能を、他の仕様との兼ね合いで、自分で悩んで選べばいいんじゃないかと思います。
私がもし今R1かR6に乗り換えるとしたら、
給料が上がりでもしない限り、R6になりそうだなと思いますし(^^;)
  • 2017-11-04
  • 投稿者 : 北狐々
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