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暁美ほむらでYZFを説明してみた01

 サブコンで低燃費R1をつくろう! 12 お金の使い方
*ここで描かれるのは、平行世界のどこかにあったかもしれない。というお話です。解釈は自己責任でお願いします。

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『じゃあ、自己紹介いってみよっ!』
「あ、あの……YZ……Fです。その!、えっと……どうか、よろしく……おねがいします」

 1996年某日……
オーバー750のクラスに、新しい眼鏡っ子が仲間入りしました。
YZF-1000R。あだ名をサンダーエースと呼ばれ、その名前負けを気にしている控えめな女の子です。

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『YZFさんて、キャリパーはどこのメーカーなの?』
『ハイグリップとか履いてた?レース系?ツーリング系?』
『すんごいでっかいお尻だよねー、座布団でも入ってるんじゃない?』 
「あの……ぁ、ぅ……私、その……」

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『あー、君はレースベース車からお下がりしてきたんだったな。後でゼロヨンでも計測してもらうように』

折りしも昨今は最高速全盛時代。
長年、このクラスで『王座』に君臨していたZZ-R1100が、翌日(1997)に仲間入りしたCBR1100XXと、激しいカスタム合戦を繰り広げていました。

『XJRのスイングアーム流用ってヤバいよねぇ?』
『開発費用を回収するためじゃ、仕方ないんじゃない?』

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上を見れば300km/h、下を見ればサーキット。
最高速の他にも初期型CBR900RRと、生まれ変わったGSX-R750との激しい『街中最強バトル』に挟まれ、
サンダーエースは息苦しい日々を送らなければならないのです。

 ヤマハは当時、このYZF-1000Rサンダーエースについて、
一言も『ツーリングスポーツ』などとは公言していません。
ヤマハという企業のバイク開発には今も昔もどこか理屈っぽい拘りがあり、
145ps、乾燥重量198kgという、当時としてかなりのハイスペックを奢られたこの『ヤマハスポーツの旗艦』でも、
普通にサイドケースをつけてツーリングが出来ることが前提とされていました。
信頼性が高い既存の技術を集結させ、空力に優れ、軽量ハイパワーながらツーリングもこなす。
ヤマハの考える『スポーツの旗艦』を具現化したサンダーエースはしかし、
市場や他社の考えるそれとは多少の食い違いがあり、
なんせ当時は『最高速』か『サーキット』かの速さの二極化が激化していた時代。
『とがった部分』がなければ評価されることが難しいという状況の中で、
ペーパーテストならば他車より高い平均点を示すであろうサンダーエースの印象は、
その控えめな外見とも相まって、『中途半端な普通のバイク』として埋もれてゆくことになります。



「そんなの勿体無いよ!だったらYZFちゃんも格好良くなっちゃえばいいんだよ!」

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 それでも、WGP500を見れば大活躍のヤマハ。
以前からのレースイメージと、その『素性のよさ』もあり、めざといオーナーには選ばれ、手を入れられて乗られていました。

「確かに、お金の工面は大変だけど、それだけパワーアップするし、やりがいはあるよね?」



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「YZFちゃん、私、あなたのオーナーになれて嬉しかった。
いっぱい車種がある中であなたを選べて……今でもそれが自慢なの。
だから、大型二輪免許とって、本当に良かったって……そう思うんだ。

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 個人的にはサンダーエースの血筋は2001年発売のFZS1000フェーザーへと受け継がれ、『ストリートスポーツ』というジャンルを確立する礎となったと思うのですが、
現在2013年ではニンジャ1000の好調なヒットでも解るとおり、
サンダーエースは時代に恵まれなかった『早すぎたバイク』だったような気がします。




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「私は……ヤマハのスポーツをやり直したい!
市場に引っ張られる私じゃなくて、市場を引っ張る私になりたい!」



『はぁいっ、それじゃ、自己紹介いってみよっ!』
「YZFです!よろしくお願いします!」

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 1998年某日……
オーバー750のクラスに、新しい眼鏡っ子が仲間入りしました。
YZF-R1。あだ名をカミソリステアと呼ばれ、少しデンパなところがあれど、何かを内に秘めた女の子です。

「鹿目さん!私、スーパースポーツになったんだよ!これから一緒に頑張ろうね!」
「ほぇ?、ええと……」

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「どう思う?マミさん……」

『150馬力に柔らかいショックねぇ……
確かに凄いけれど、使い方が問題よねぇ?』

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 これまた個人的な印象になるのですが、
『カミソリステア』なんて大層な二つ名を持つものの、
ストロークが長く柔らかく動くサスペンションを、独特のリズムを掴みながら操らなければいけないのはなかなかにとっつき辛く、
日本の峠道では1速が低すぎて2速はややロング気味。『理屈抜きで速く走れる』というタイプではなかった記憶があります。
なのでというかなんというか……
 ストックがどんなに過激なスペックを有したところで他の、『サーキット志向』の硬い乗り味の競合車ほど魅力が解りやすくなく、
結局オーナーは『硬い乗り味』を求めてマフラーやショックを変えるなどの手を入れて乗られることが多かったような気がします。



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「あのさぁ、インジェクションなんかにして、一体何の得があるっていうわけ?」
「それは……」
「私たちに妙なこと吹き込んで、つまらないバイク作らせたいの?
!、まさかアンタ、あのTOY-OTAとかいう会社とグルなんじゃないでしょうね?」

 今にしてみると信じられないかもしれませんが、
当時、バイクの燃料供給はキャブ以外あり得ないし、インジェクションなんてコンピューター制御は人の感性についてこないし信用できない。
という『キャブ信者』が、バイク乗りの多数を占めていました。
アフターパーツとしてのキャブはFCRやTMRであり、本体だけで35万円以上という、
当時の『吸気チューニング』の代価の高さはかなりのものです。
……まぁ、それでもやっぱり物欲に負けちゃったりするオーナーは少なくなかったのですが……
 あ、私はクルマ会社の中で、トヨタが一番好きですよ?(^^;)

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 「……どっちにしろ、私、この子とレースすんの、反対だわ。
頭は硬いから平気だろうけど、イキナリ腰砕けでスリップダウンとか、カンベンして欲しいんだよね、
何度巻き込まれそうになったことか……」

「YZFさんには、規定以内のフレーム補強って、ないのかしら?」
「……ちょっと、考えて見ます……」

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 インジェクションはパワーが出せてもフィーリングが出ない。効率がいいだけでバイクにはふさわしくない。
排ガス規制を通す為にはFI化が必須なメーカーの事情を尻目に、スポーツバイクの乗り手たちは全国で、そんな会話で賑わっていました。
勿論そこには既存のFI搭載車のレベルの低さがあり、
故にYZF-R1は最高出力を追うのに不利なことを承知の上で、『キャブのフィーリングを持つ』サクションピストン式インジェクションを採用するのですが、
ここでのヤマハの誤算は、
あれほど業界を挙げて批判していた『インジェクションのフィーリング』に、皆が予想以上にスンナリ適応してしまったことだと思います。

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 故に結局、キャブ伝来のフィーリングを大切にしたR1はインジェクションの長所でもある『ハイパワー化』に後れを取って、
やっぱりオーナーはその欠点を補おうと、お金をかけて手を入れるようになるわけです。

 いつも素性は悪くないのに、
そもそも開発が『街乗り仕様』に拘った為、ユーザーは競合車と同等のサーキット性能が欲しくなり、
結局その、使うかどうかも解らないスペックに憧れて、
信頼性が立証されているかどうかも解らない最新のチューニングパーツを手に入れて、
効能も理解しないままごちゃごちゃ訳がわからなくいじってしまい、
結果、結果が出なくてノーマルに戻ってしまう。



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 そして、一つの世界が終わりを告げます。
今まで、主にXフォーミュラといわれる特別枠でレースに参戦してきたR1だったのですが、
スーパーバイク世界選手権。通称WSBとその地方選手権である国ごとのSB選手権では、
今までの通称『D・M・S・レギュレーション』。
『ドゥカティ・ミソッカス・システム』つまり四気筒は排気量が750ccまで、
二気筒は排気量が1000ccまでというレギュレーションによるドゥカティの圧勝状態に対し、
ホンダがおとな気ない程本気で『VTR1000SPW』を開発。
スズキもTL1000Rを市販(レース未勝利)するなど、
ドゥカティから見ればレース場の問題だけではなく、自分たちのアイデンティティである『Vツインスポーツ』までも日本車に席巻される予感に危機を感じたのかどうなのか?
……の因果関係は正直、解りませんが(^^;)、
遂に四気筒1000ccスポーツがレースの世界選手権にて公式に参戦を認められるようになります。

『レースでの適応性』から一歩引いた立場を取っていたYZF-R1ですが、
今までのレースベース車であるYZF-750も、Rコンセプトをレース用に解釈したYZF-R7も最早絶版車であり、
結果的にR1はレース参戦をも視野に入れたモデルチェンジを余儀なくされることになります。
 現在的な解釈であれば『スーパースポーツ』というよりは『ストリートスポーツ』の方向性で開発を進めてきたR1だったのですが、
当時の市場では誰もそんな『四気筒スポーツがレースを前提にしない』なんて方向性を認めてくれず、
結局競合車との比較はサーキットタイムが主役であり、
そこから一歩引いていたR1はいつも苦汁を吞まされる紹介をされてしまう。

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 ……誰も、未来を信じない。
誰も、未来を受け止められない。
だったら、私が……!

誰にも頼らない。
誰に手を入れて貰う必要もない。

オーナーには手を入れさせない。
全ての性能は、私一人(ノーマル状態)で手に入れる。

 そして……今度こそ、市場の牽引を……この手で!

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 '04YZF-R1(5VY)は今考えても確かに傑作だと思うんだけれどもなぁ。
ただ当時、確かに技術の頂点を極めたヤマハ蓄積のテクノロジーは、
コンピューター制御技術等の台頭の中で日に日に世代交代を迫られるようになってゆき、
レースでは、2007年の4C8にモデルチェンジするまで、あまり良い結果を聞かなかったような気がします。

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 しかし、4C8は4C8で、『レースライク』という、主に欧州の市場が求めた味付けに変更された所為か?
日本の公道で走るにはいささか不釣合いなバランスだと酷評されることが多く、
結局、日本のオーナーが満足する乗り味を手に入れる為には、それ相応に手を入れなければならない車種であったような気がします。

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「酷い!」
『……仕方ないよ。
ノーマル一台の乗り味で世界の市場を満足させるには、荷が重すぎた。』
「そんな!あんまりだよ!こんなのってないよ!」
『あきらめたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる。
避けようのない振動も、硬い乗り心地も、全て君が覆せばいい。
そのための力が、お金には備わっているんだから』

「本当なの?」
(騙されないで!そいつの思う壺よ!)

「私なんかでも、本当に何か出来るの?こんな特性を変えられるの?」
『勿論さ!だから、僕と契約して、カード会員になってよ!』

(駄目ーーーーーーーっっ!!!!!)

『公道仕様』に拘ったが故に、モデルチェンジを繰り返すごとに公道で扱いづらくなってゆくという皮肉。
昔っから素性は良い子なのですが、どこか突き抜けきれない分、
乗り手が後から自分好みにセットアップしなければ楽しい特性にならない難しさはあったような気がします。


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『本当に物凄かったねぇ、まどかの物欲は。
彼女なら最強の物欲を持ってると思ったけど、まさかあのTG-Rのコンプリート車を、一ヶ月で手放すとはね

「……その結果どうなるのか、見越した上だったの……?」

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ドカティ・デスモセディチRR 新車販売価格:850万円以上
正式な意味での『Moto-GPレプリカ』は今のところこの一車種しか存在していません。


『遅かれ早かれ、結末は一緒だよ。
彼女は最良のカスタムとしての、最強のコンプリート車を降りたんだ。もちろん後は最大の市販レプリカに乗るしかない。
まぁ、あとは返済能力の問題だ。僕らの営業ノルマは、概ね達成できたしね』

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『あ?……追従しないのかい?』

「いいえ。
私の戦場はここ(高額化)じゃない

繰り返す……
私は何度でも繰り返す。
同じ進化を何度も巡り、たった一つの出口を探る。
あなたを、カードローンの絶望の未来から救い出す道を……!

 まぁ、結局のところ、
そこそこ満足しながら大きな出費に苦しまされずにバイクを楽しむというのなら、
ローンの切れ目で最新型に乗り換える、というサイクルを繰り返していったほうが有意義じゃないかと思うんですよね……(^^;)

 なんか、書き出してみたら思った以上にツマラナイのでへこたれてしまいそうですが、
取り敢えず、あと2回ぐらい続く予定です(^^;)




サブコンで低燃費 01
サブコンで低燃費 02
サブコンで低燃費 03
サブコンで低燃費 04
サブコンで低燃費 05
サブコンで低燃費 06
サブコンで低燃費 07
サブコンで低燃費 08
サブコンで低燃費 09
サブコンで低燃費 10
サブコンで低燃費 11

サブコンで低燃費 13(暁美ほむらでYZFを説明してみた02)
サブコンで低燃費 14
サブコンで低燃費 15
サブコンで低燃費 16
サブコンで低燃費 17

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2件のコメント

[C558]

ほむほむほむ♪

GPレプリカRCV気になります!
ホンダ→レースで勝つしSSも売れる
スズキ→隼あるし!レースで勝てないけどSS人気、改造範囲の狭いレースで勝ちまくりが要因?
カワサキ→ZZRあるし!世界最速!
YAMAHA→長年GPで勝てない→ロッシさんがログインしました→Yeah!!

ってイメージ、書ききれないけどもw

北狐々さん頑張れ!超頑張れ!
  • 2013-02-10
  • 投稿者 : もっちぃ
  • URL
  • 編集

[C559]

 > もっちぃ様。
RCV。色んな意味で気にはなります(^^;)
これを記念碑的に売るのか?200万円ぐらいで売るのか?
なら私もすっごく楽しみなのですが、
雑誌で書いてあるような、CRT市販レーサーとして1000万円とかで売ろうと言うのなら、
そもそも何のためにCRTなんてカテゴリを作ったのか?
ただでさえホンダエンジンオンリーのMoto-2では最近、技術の話がパッタリと聞こえなくなっていると言うのに、
何が何でもホンダは世界のレースを自社のバイクでやって欲しいと言うことか?
折角、CRTルールで色めき立ったBMWやアプリリアを結局失望させることになりそうで、
マルク・マルケスの件もそうですが、
金があるからといって何でも自分ルールにさせたがるホンダのやり方は、私はちょっと賛成しかねます(^^;)

 個人的にヤマハは、昔からライダーに恵まれていると言うか、
ライダーと良好な関係を築くのが上手なメーカーだなぁと思います。
ホンダは理系の秀才。
スズキはやんちゃで一本気。
カワサキは他業種技術と体育会系。
CRTの成功で、スズキやカワサキもMoto-GPに戻ってくるといいですね。

 この更新の続きはちょっと、
言いたいことが原作の盛り上がりに対してあんまりにもチャチいので、なんかもうグダグダで終わりそうです(^^;)
  • 2013-02-10
  • 投稿者 : 北狐々
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